
チューニングの基本というか、方向性を決めるうえで重要なポイントが足回り。特にサスペンションの選定はその後のステージにも影響してくる。
現在のところでは街乗り7の競技が3という割合だと考えているが、当面は家族の足として、そして私が目指す方向性にマッチさせていく上でも、ある程度のマージンと柔軟性を考慮した製品の選定が必要となる。
今回のサスペンション設定でも紙面やネットの情報、それに馴染のFEEDスタッフやスイフトのスペシャリストから電話や対面で直接話しを聞いて、それぞれの意見も参考にしながらいくつかの候補に絞った。
候補としてはHKSのハイパーマックスR(定価:¥327,800)、Complete SpeedのサーキットカスタムSPEC車高調(定価220,000円)、トップフューエルのブルーダンパーZ-1 SPEC-R(定価:341,000円)or SPEC-Rコイルオーバー(定価:363,000円)だった。
Complete SpeedカスタムSPEC選定理由
これらのサスペンションのそれぞれの特徴や特性を考慮して最終的にはComplete SpeedのサーキットカスタムSPEC車高調に決めた。
まずHKSはどこに話を聞いても申し分のない太鼓判だ。実際にFDにもハイパーマックスIV SPを装着しているが、実にいい感じでコストパフォーマンスにも優れていると感じる。正直言ってZC33Sもこれでもいい!と思ったがSPが入手しにくい商品になってしまい、後継のRになってから途端に価格が跳ね上がった。吊るしとしてもかなりいい値段だと思う。
続いてトップフューエルだが、最強スペックとしてコイルオーバーまでやれば何の申し分もないと思う。トップフューエルに関しては主催の走行会や鈴鹿のアタック、その他の実績からも実力は折り紙付き。しかし、私が求める完成形から想定するとハイエンド過ぎる。
そしてComplete Speed。このショップは販売店でもありながら積極的に競技に参加する車両を製作しており、地元となるセントラルサーキットのCTACやREVスピードの筑波アタックでも優秀な成績を抑えている。しかも基本的には市販パーツの組み合わせで完成させたクルマで、どうしてもオリジナルでの準備が必要となるパーツはチューニングメーカーと協力してブランド名を冠したスペシャルを設定している。

大阪の地元にあるショップというのもすぐに声が聞ける利点もあるし、数々の市販品の特性を熟知し、様々な競技会での実践データや経験からのリアルな知見を有しているという点、それと設定したサスペンションが吊るしではなくRS-Rと共同開発するのが前提のカスタムスペックであり、バネレートを幅広く設定している。それにバネレートはオーダーできるという点。加えて候補の中でもほぼ吊るし並に低く抑えられた価格設定などもありこの製品に決定した。
RS-Rというチューニングパーツメーカーは数十年の実績と技術、何よりもハイスペック製品のワンオフ、カスタム、共同開発などの実績を知ってもいたし、私は過去にSA22Cや友人の数台の車両での実績も体感していたので安心感もあった。

取り付けはComplete Speedに依頼
このZC33Sは基本的に自分自身でのイジり(取付作業やメンテナンス)を想定しているが、足回りに関しては物によってはシビアな調整やノウハウも必要になる部分だと過去の体験からも実感しているので、製品のリリース元で経験も豊富なショップに任せることにした。
昔シビックに乗っていた頃は足回りの構造的な違いもあるが、初めていじる構造の足回りだから、アライメントまで考慮するとどうしても自力では限界があると感じて、プロショップに任せた。
ZC33Sはシビックに比べるとコスパに優れた現在の技術で作り込まれており、リアなどはトーションビーム構造でありながら走りの感覚では全体の作りとバランスの良さ、強度設計の最新化で実にバランスの取れた領域にあると聞くが同時に「リアが軽すぎる」。
それこそ超限界領域を超えたタイムアタックで、リアをコイルオーバー化し、低予算で組み上げても筑波で「分切り」を達成できるほどの基本スペックがある。

フロントのサスペンション。カスタムのダンパーには特注可能な専用バネレートを指定できる。
まずは街乗りメインで調子を見ながらどこまで対応できるかも考えて、F=8kg、R=7kgのオーダーでスプリングを発注。
ダンパーはサーキットカスタムSPECでRS-RとComplete Speedが共同開発した仕様で、減衰は36段階で細かくセッティングできる。
今後はステージと走行シーンに応じてスプリングを30〜35%アップを1セット、45〜50%アップで1セット追加で準備して使い分けて行く予定。
ダンパー自体はショップのデモカーで超ハイレート設定やミドルレートでの設定もすでに実績があり、私自身もハイレートのデモカーに試乗して限界領域を確認済み。


リアはノーマル形状のままでスプリングはアジャスタ調整。しかし強度的にも設計的にも限界領域でのタイムアタックを除けば対応できるというのも数々のショップやチューナーの共通した意見で問題はない。むしろ街乗り7割にはこのままで十分。

FDを見慣れているので、ZC33Sの構造を見ると、意外と単純でアライメント調整も道具と場所があれば自分でもできそうな構造。脱着もFD3Sに比べれば簡単な手順でできる足回り構造かな。でも最初だからここはショップのプロが行う作業を見ながら学ぼう。
想定以上に驚いたのが、スタビリンクの長さ!しかし交換後は更にダンパーの全長が短くなるので、その分は長くする必要がある。ここは経験の豊富なショップから事前にアドバイスがほしかったところだ。できれば同時作業としたかった。

リアのバネレートは今回基本はこのサスペンションキットの設定幅より若干やわらかいものを作ってもらい街乗り優先仕様にしたのだが。。。
そこも尋ねてみたが、取り付けたメカニックもそれは問題ないとの見解だった。
微調整はいくらでも可能なので、今後は全体的な調子をみながらGをかけた状態や走行シーン、ステージに合わせて調整することになる。(が、これがすべての間違いだった!問題がないどころではなかったのだ。)
※この日は準備していなかったが数日後には自力でRRP製のアジャストスタビライザーロッドに交換した。ちなみに長さは364mmに調整した。

リア側は構造的にもフロントよりももっと簡単に交換できる。ダンパーとスプリングが分離されているので、それぞれの取り付けも簡単。これは後々のスプリング交換もサクッとできそう。(いや、そんな簡単なものではない!と今は思っている。)

サスペンションの交換が完了。ノーマルより約4センチダウンとのことだが、かなり低い!
まだダンパーが落ちつてないし、この状態で基本設定の16段戻しの減衰に合わせている。
この状態だと硬めで跳ねるので、現状では街乗り優先の設定で前後ともに21段戻しの設定で調整しなした。

慣らし終わったら更に調整して煮詰めることにする。(前述の通り疑問が的中する。)
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